2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18740088
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
中島 徹 Shizuoka University, 工学部, 准教授 (50362182)
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Keywords | 調和写像 / 特異性 / 安定性 |
Research Abstract |
リーマン多様体間の写像について定義されるテイリクレエネキーの停留点となる写像を調和写像と呼ぶ。これは微分幾何学から提出された変分問題であり、解析学的、幾何学的に重要な研究対象である。19年度は調和写像の次元の同じ球面の間の不安定性について研究を行った。1980年代にXinにより3次元以上の球面からコンパクトリーマン多様間の調和写像は、定数でなければ必ず不安定になることが知ちれている。これは解析学的には調和写像に付随するJacobi作用素の第一固有値が負になることを意味する。Xinの研究以降様々な多様体間の調和写像の不安定性についての研究が行われてきた。Xinの証明を見ると、Jacobi作用素の第一固有値は2-球面の次元以下になることがわかる。本年度はこの評価式で等号が成立する場合について研究を行った。得られた結果は、kを3以上の自然数とするとき、k次元の球面間の調和写像に付随するJacobi作用素の第一固有値が2-kになる必要十分条件ば調和写像が直交行列から定まる写像であるというこである。現在この結果に関する論文を準備中である。これまでの研究では不安定であるということのみに興味が向けられていたが、本研究では不安定なものの中でも最も安定なものを特徴付せるという新たな視点を与えるもめである。またこの研究は特異性を持った調和写像の孤立特異点の近傍での挙動の研究に密接に関係するものであり、この方面への応用も期待される。
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Research Products
(2 results)