2006 Fiscal Year Annual Research Report
パンルヴェ系の高次元への拡張と特殊解・対称性および可積分系との関連
Project/Area Number |
18740090
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
増田 哲 京都大学, 大学院理学研究科, 研究員(COE) (00335457)
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Keywords | 離散パンルヴェ方程式 / アフィンワイル群対称性 / 代数解 / 普遍指標多項式 / タウ函数 / 点配置空間 |
Research Abstract |
離散パンルヴェ方程式とは,ある種の「可積分な」2階非線形常差分方程式の総称であるが,最近の研究により,パンルヴェ微分方程式を含む,より基本的な力学系であることが認識され,特殊解の構成や無限次元可積分系との関係など,さまざまな観点から近年活発に研究されている.とりわけ,特殊解およびそのタウ函数の構成については,最近の研究により急速に進展しつつある. こうした状況を踏まえ,今年度は,離散パンルヴェ系の特殊解についての研究を引き続き推し進める一方で,離散パンルヴェ系の高階への拡張のひとつの試みを行った.結果の概要は以下の通りである. ・q-差分パンルヴェVI方程式のタウ函数による定式化を行い,この方程式がq-UC階層(q-KP階層の一般化)の自己相似簡約として得られることを示した.その自然な帰結として,q-差分パンルヴェVI方程式のある代数解の族は,普遍指標多項式(のq-類似)を用いて表されることがわかる. ・射影空間内の一般な位置にある点配置の配置空間と,その上へのワイル群の双有理作用を基礎にして,楕円差分パンルヴェ方程式を含むようなクレモナ変換の系についての高次元的な枠組みを提唱した. 以上の結果は学術論文に発表されている.
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