2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18740092
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
小島 武夫 Nihon University, 理工学部, 講師 (80307800)
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Keywords | 楕円変形W代数 / 量子群 / W代数 / Baxter's Q^-operator / T-Q relation / Integrals of Motion / q-oscillator / Wakimoto realization |
Research Abstract |
本年の最大の成果は、楕円変形W代数W_{q,t}(s1-N^)の保存則の可換性を完全に証明したことである。楕円変形W代数の定義関係式は数が多い上に、可換性の証明をするためにオペレーターを消去すると新たなオペレータが出てきてしまい完全な証明はお手上げかと思われたのですが、保存側の積分核の特殊性により、定義関係式の多くは積分するとゼロになるという事情に気がつきました。このことに注意を払い、実際に働くN本の定義関係式のみを順次用いると、オペレーター消去の道筋は1つしかないことがわかり、計算は若干複雑ですが、証明を完遂できました。Dynkin不変性の証明でも一部分の定義関係式に注目することで、解決できました。この結果はまとめた論文を発表し、Communication in Mathematical Physics に掲載が決まりました。この研究の後、W代数W_Nに付随したBaxter のQ-オペレーターの構成に取り組みました。要はq-oscillator を用いた量子群U_q(s1_N^)のボレル部分代数の表現を構成したということです。これをもとにBaxter T-Q 関係式を含む関数方程式を導きました。正確にはこれらの式の幾つかはConjectureです。より数学的に一般化した形で、これらのConjecture を特殊例として含むステートメントは作れて、多分それで正しいようですが、細かい技術的困難(q-冪をきちんとあわせる等)により証明を完遂するにはいたっていません。Baxter's Q-operator と関数方程式をConjecture を含む形でまとめ論文として発表し、現在投稿中です。これ以外に、Free field realization を楕円代数の任意のレベルで構成する問題に取り組んでいます。これは5年ほど前に一時中断した研究の続きです。楕円変形W代数の保存則のリー環の一般化はA_2^{(2)}の場合を中心に取り組みましたが、完成には至っていません。
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Research Products
(3 results)