2008 Fiscal Year Annual Research Report
星間分子雲の収縮から第二コアの形成と高速ジェット現象の解明
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18740104
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
町田 正博 Kyoto University, 大学院・理学研究科, 特定研究員(グローバルCOE) (10402786)
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Keywords | 星形成 / 数値計算 / 褐色矮星 / 星間磁場 / アウトフロー / 星間物質 / 星周円盤 / 星間物質 |
Research Abstract |
京都大学基礎物理学研究所のベクトル並列コンピュータSX-8と国立天文台CfCAのSX-9を用いて、星・惑星形成に関する大規模シミュレーションを実行した。前年の研究で収縮ガス中での「アウトフローやジェットの駆動メカニズム」、「ガスの分裂と連星形成条件」などを導出することが出来、原始星形成までの研究はほぼ解明された。そのため、平成20年度は、原始星形成後の「ガス降着段階」についての研究を行った。以前の研究では原始星形成までガス収縮を計算していた。しかし、高密度までガスの進化を計算するとタイムスケールが非常に短くなるために、長時間の進化計算が難しくなる。そこで、この研究では、中心部の高密度領域にシンクセルを採用して、中心部分の微小領域を計算することをせずに、長時間の時間推進を可能にした。その結果、ガス降着段階の進化を長時間計算することが可能になり、ディスクの形成過程や星形成率について新たな知見が得られた。ガス降着段階では、中心部のディスクから駆動するアウトフローにより初期の分子雲コアの質量の70%以上が吹き飛ばされる。その結果、星形成率が20%程度に抑えられることが分かった。また、円盤の長時間進化から、多くの円盤は短時間で重力不安定になり分裂してガス惑星を形成することが分かった。そのため、中心星から離れた領域でも惑星形成が可能であることが分かった。また、褐色矮星からアウトフローの駆動が可能であることも求められた。この結果は、最近の観測の描像と良く一致する。
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