2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18740105
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
松本 浩典 Kyoto University, 大学院・理学研究科, 助教 (90311365)
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Keywords | X線 / X線CCD / 銀河銀河団 / 高エネルギー天体 |
Research Abstract |
銀河や銀河団の高温ガスに含まれる重元素量を測定するには、重元素から出る特性X線の強度やエネルギーを精度良く測定しなければならない。そのためには、検出器の高精度のキャリブレーションが不可欠である。すざく衛星はエネルギー分解能に優れた検出器としてX線CCD(X-ray Imaging Spectrometers ; XIS)を搭載している。しかし、XISは宇宙放射線損傷の影響により、打ち上げ直後から徐々に性能が変化しており、常時キャリブレーションすることが必要である。また、打ち上げ後1年を経過したあたりから、放射線損傷の性能回復のため、XISは電荷注入法を行ってきた。この場合、それ用のキャリブレーションをしなければならない。そこで我々は、XISに搭載されたX線源55Feや、超新星残骸E0102やペルセウス銀河団などの天体からの特性X線を利用して、XISのキャリブレーションを進め、その結果、XISは数ある天文衛星X線CCDの中でも、もっともエネルギー分解能が良く、感度が高いという性能をキープし続けている。我々はこの高性能を生かし、Ohiuchus銀河団をすざく衛星XISで観測した。その結果、中心部分にむかって緩やかに重元素組成比が増え、温度が下がって行く様子を明らかにした。また以前の観測で示唆されていたような、20億度を超えるような高温ガスは見られなかった。これらの結果は、この銀河団は合体などを最近起こしておらず、比較的静かに進化してきたことを意味している。また天の川銀河中心の活動性の起源を調べるため、超高エネルギーガンマ線天体に着目し、そのうちの一つHESSJ1825-137をすざく衛星で観測した。そして、パルサーPSRJ1826-1334の周囲に、非常に大きく広がったパルサー風星雲の発見に成功した。
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Research Products
(13 results)