2007 Fiscal Year Annual Research Report
進化末期の恒星に見られるジェットの発現・成長過程の解明
Project/Area Number |
18740109
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
今井 裕 Kagoshima University, 鹿児島大学・理学部, 准教授 (70374155)
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Keywords | 宇宙メーザー / 恒星質量放出 / 脈動変光星 / 恒星ジェット / 超長基線電波干渉法 / 年周視差計測 |
Research Abstract |
本研究課題では、恒星進化末期に出現する細く絞られた双極的高速ガス流(ジェット)の発生時期と発現機構の解明を目指している。そこで、現在最高の角分解能を実現する国内外の超長基線電波干渉計(VLBI)を用いて、恒星進化末期にのみ出現する水酸基・水蒸気・一酸化珪素分子が放つ宇宙メーザーを観測してきた。今年度は、下記のように得られた前年度の成果を査読論文にまとめ、さらにより詳細な追跡観測を進めた。 1.野辺山45m鏡で新たに発見された高速ガス成分の存在を示す水メーザー源2天体(IRAS18286-0959,IRAS18460-0151)のVLBI観測を実施した。高速ガス流とは垂直方向への低速流(=赤道流)が存在することが明らかになり、孤立した単一老星においてもこのようなジェットが形成されると言う理論モデルの予測を支持する。水酸基メーザーのVLBI観測も実施した。 2.IRAS19134+2131については、8kpcに対応する微小な年周視差計測に成功し、この天体が生まれて現在の銀河面からの距離(650pc)に達するまでに最低7000万年掛かったことが分かった。これから、最大6太陽質量でも双極ジェット形成が期待できることが分かった。 3.国立天文台VERA 20m・野辺山45m電波望遠鏡等を用いて新恒星ジェット候補天体をVLBI観測した。ジェット発現時期には星周ガス縁の方がまだ密度が小さいので水蒸気メーザースポット分布はジェット本体の周りに双極円錐状に分布するが、その後すぐにジェット本体にもメーザースポットが存在するようになるという、ジェット噴出からの時間経過を追える手掛かりをつかんだ。
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Research Products
(10 results)