2006 Fiscal Year Annual Research Report
強磁場中性子星からのX線放射メカニズムの観測的研究
Project/Area Number |
18740110
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Research Institution | Kogakuin University |
Principal Investigator |
幸村 孝由 工学院大学, 工学部, 講師 (20365505)
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Keywords | 宇宙物理学 / X線天文学 / X線連星パルサー |
Research Abstract |
X線連星パルサーの鉄輝線の放射領域の決定と連続X線の放射メカニズムの解明を行うため、RXTE衛星によるX線連星パルサーの観測データに対し、クロススペクトルを用いた時間変動の解析を行った 具体的には、本研究代表者が観測提案者となりRXTE衛星による400ksもの長時間の観測を行ったVelaX-1に加え、既に観測データか公開されているHerX-1とSMCX-1のデータ解析を行った。 鉄輝線の放射領域に関しては、これまでの解析結果からは、鉄輝線の時間変動が、連続X線の時間変動に比べ遅れているということは統計的に有意であると決定できず、中性子星の周りの降着円盤起源であるかどうかという結論には至らなかった。しかし、HerX-1については、1σの有意性しかないが、鉄輝線の放射領域が、中性子星から(1.4±1.3)×109cm離れているということが分かった。この結果は、エネルギースペクトルから決定されている中性子星の磁場1012Gという結果から予想される降着円盤の内縁のサイズと矛盾しない結果である。ただし、連続X線に関しては、エネルギーの高いX線ほど遅れて放射しているということがわかった。 また、次年度以降の研究にむけ、RXTE衛星にGX1+4の観測提案を行った。 Suzake衛星で観測したX線連星パルサーA0535+262の観測結果から、30mCrabという暗い状態にもかかわらず、Suzaku衛星搭載の硬X線検出器(HXD)の優れた検出感度によって45keVにサイクロトロン吸収線を検出することに成功した。
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