2007 Fiscal Year Annual Research Report
強磁場中性子星からのX線放射メカニズムの観測的研究
Project/Area Number |
18740110
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Research Institution | Kogakuin University |
Principal Investigator |
幸村 孝由 Kogakuin University, 工学部・共通課程, 准教授 (20365505)
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Keywords | X線天文学 / X線連星パルサー / 降着円盤 / 宇宙物理 / 宇宙科学 |
Research Abstract |
RXTE衛星で観測したX線連星パルサーの観測データのうち、VelaX-1、ScoX-1についてX線連星パルサーの鉄輝線の放射領域の決定と連続X線の放射メカニズムの解明を行なうために、クロススペクトルを用いた時間変動の解析を進めた。VelaX-1に関しては300ksの長期の観測を行ったが、鉄輝線については、連続X線に比べ鉄輝線が統計的に有意に遅れて変動しているということはわからなかったが、その遅れの上限値を5.6msと決めることができた。また、弱磁場中性子星と考えられているScoX-1についても同様の解析を行った結果、連続X線に比べ鉄輝線が1.4±0.4ms遅れて変動していることがわかった。また、2つのX線連星パルサーとも、高いエネルギーの連続X線ほど、低いエネルギーの連続X線に比べ先に変動していることがわかった。これは、低エネルギー側の光子が降着柱で逆コンプトン散乱を受けて連続X線が発生するという、これまでの連続X線放射メカニズムの考え方では説明がつかない。我々は、降着柱と降着物質の間で発生する衝撃波によって生成する高温プラズマが、X線を放射しつつ冷えて降着柱を落下するモデルで説明がつくのではないかと考えている。以上の研究成果は、今年度、2つの国際学会(YITPworkshop"QPO and Time variabilities of Accretion Flow"、TheSuzaku X-ray Universe)、と1つの国内学会(日本天文学会2008年春季年会で発表を行った。
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