2007 Fiscal Year Annual Research Report
太陽近傍とは異なった環境下での星形成過程の理論的研究
Project/Area Number |
18740117
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Research Institution | National Astronomical Observatory of Japan |
Principal Investigator |
大向 一行 National Astronomical Observatory of Japan, 理論研究部, 助教 (70390622)
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Keywords | 星形成 / 銀河形成 / 金属欠乏星 |
Research Abstract |
銀河形成期の星間媒質中には、重元素が現在よりも少なかったと考えられている。そのようなガスが収縮して星になる際の、熱・化学進化過程に関して研究した。低金属量ガスの球対称崩壊モデルに基づき、化学進化の計算には、水素、ヘリウムに加えて重水素、炭素、酸素原子およびそれらから成る分子の形成と放射冷却をとりいれた。またダストによる熱放射の効果もとりいれ、収縮崩壊するガス雲の熱進化を様々な金属量に対して調べた。金属を含まない始原ガスの場合も計算し、詳細に比較した。熱的進化過程は収縮・分裂といった動的過程に影響を与え、その結果、形成される星の典型的質量を決めると考えられる。我々は上記の熱進化の計算結果を用いて、星形成コアの分裂過程を3次元流体シミュレーションを用いて解析し、各金属量においてガス雲が分裂にいたる質量スケールを計算した。特に、どの程度の重元素があれば低質量星形成が可能になるのかという問題に関して議論し、小質量ガス塊の形成にはダストの存在が本質的であることを指摘した。これらの結果は既に当該年度の論文として出版されている。
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