2008 Fiscal Year Annual Research Report
太陽近傍とは異なった環境下での星形成過程の理論的研究
Project/Area Number |
18740117
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Research Institution | National Astronomical Observatory of Japan |
Principal Investigator |
大向 一行 National Astronomical Observatory of Japan, 理論研究部, 助教 (70390622)
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Keywords | 星形成 / 星間物質 / 銀河形成 / 宇宙論 |
Research Abstract |
宇宙初期の原始銀河中と現在の銀河糸の星形成領域とでは、カスの重元素量が大きく異なる。そこで、銀河形成の素過程となる、低金属度環境下での星形成過程を調べた。 まずは重元素を全く含まないガスから形成される、宇宙最初の星の形成過程について、化学反応、輻射過程を取り組んだ三次元流体シミュレーションを用いて調べ、それが100太陽質量を越える超大質量星となることを示した。また、これら宇宙最初の星が連星となる場合はガンマ線バーストの親星となりうるなど重要であるので、初代星の連星形成の可能性についても調べ、初期の星形成雲が極めて小さな角運動量をもつ場合を除き、連星は普遍的に形成されることを明らかにした。 しかしながら、これら宇宙初期の大質量星は当面観測が不可能であり、そのため理論の検証は困難である。そこで、観測との比較が可能な近傍の星形成領域における大質量星形成過程についてもモデル化を行い数十太陽質量の原始星の降着進化過程およびその観測的性質を調べ、このような大質量星の形成が可能となる降着率範囲を見出した。 加えて、銀河形成時に星と同時に誕生すると思われる超大質量ブラックホール形成過程についても考察した。代表的な形成シナリオの一つである、強い輻射場中での単一ガス雲収縮過程が機能する為には、僅かの星間微粒子も存在してはいけないことを見出した!なお以上の結果は査読つきの字術誌に投稿され、掲載もしくは掲載決定されている。
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