2007 Fiscal Year Annual Research Report
地球外惑星の直接観測のための高自由度赤外線コロナグラフの開発
Project/Area Number |
18740121
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Research Institution | Japan Aerospace Exploration Agency |
Principal Investigator |
塩谷 圭吾 Japan Aerospace Exploration Agency, 宇宙科学研究本部, 助教 (40392815)
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Keywords | コロナグラフ / 太陽系外惑星 / 瞳マスク / コントラスト / 微細加工 |
Research Abstract |
太陽系外惑星の直接検出という,人類の世界観にも関わる課題に挑むため,赤外線天文衛星などに搭載する宇宙望遠鏡用コロナグラフ光学系の開発研究を行った。ここでいうコロナグラフとは,太陽系外の惑星系の観測において,惑星からの放射にくらべて極めて膨大な主星からの放射を選択的に低減し(両者の比をコントラストと呼ぶ),惑星の直接観測を可能にするための特殊な光学系のことである。主星と惑星のコントラストは,可視波長域では10桁,惑星自身からの熱放射を観測できる赤外波長域でも6桁にもなると考えられている。本研究では,電子ビーム描画微細加工によって基板上薄膜で形成した小型の瞳マスク(外径〜2mm)を用いることで,世界で始めてチェッカボード型マスクによるコロナグラフの研書う実験を成功させた。その結果,7桁という非常に高いコントラスト(主星と比してどれだけ暗い惑星まで検出可能かを示す)を達成した。さらに実験の超高コントラスト化を推進し,画像差分法を導入することで,コントラストを従来の1x10^<-7>から6x10^<-9>まで(も)向上させることが出来た。これらの結果は,赤外波長域での惑星検出に必要とされる性能を上回っており,また可視波長域で求められる性能に迫るものであり,技術的な進展という意味でも,科学的意義という面でも,おおいに成功したと言えると考えている。
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Research Products
(3 results)