2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18740126
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
酒井 忠勝 Ibaraki University, 理学部, 准教授 (50375359)
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Keywords | ゲージ理論 / 弦理論 / QCD |
Research Abstract |
前年度から引き続きゲージ理論と弦理論の双対性、特にその量子色力学(QCD)への適用を目標として、研究を行ってきた。2004年に我々は弦理論においてDブレインと呼ばれる物体をうまく組みあせて構成されるモデルを提案した。このモデルを用いてハドロン物理を解明することが、ここ数年の中心テーマである。 これまでの研究により、メゾンに関する物理はこのモデルにより非常にうまく理解されることが示した。一方、バリオンはある種のソリトン解として記述されることはすでにわかっていたが、その詳しい性質は依然として不明であった。19年度は、我々のモデルにおける上で述べたソリトン解を用いることにより、バリオン物理のより深い理解を目指した。この仕事は現在進行中であり、まだ論文として出版されるにはいたっていないが、すでにいくつかの興味ある結果が得られている。まず、バリオンに関する静的性質、具体的にはバリオンの荷電半径や磁気モーメントなどを計算することが可能となった。この種の計算は、その昔、Adkins-Nappi-WittenによりSkyrmeモデルに基づき行われていたが、我々の計算はρメゾンを含む無限個のベクトルメゾンの効果を取り入れた結果であり、理論的に非常に興味深いのみならず、実験結果と比較する上でも彼らの計算よりもさらによい一致を示すことも確かめることができた。さらには、バリオンの形状因子も無限個のベクトルメゾンの効果を取り入れた表式を求めることができ、我々の用いた手法の有用性を示す結果となった。
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Research Products
(1 results)