2006 Fiscal Year Annual Research Report
ハードウェアアクセラレータを用いたオンライントリガーシステムの開発
Project/Area Number |
18740138
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
川崎 健夫 Niigata University, 自然科学系, 助手 (00323999)
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Keywords | 素粒子実験 / トリガー |
Research Abstract |
平成18年度は、オンラインでデータを処理するための回路の設計と製作を行った。 オンラインデータ処理システムは、アナログ信号変換モジュール(以下ADC)とデータ転送モジュール(以下DAQ)の2つから成る。ADCの内部は、検出器からの信号をアナログーデジタル変換する部分と、変換後の信号を回路により処理しオンライントリガーを行う部分から構成される。 まずADCとDAQの間の制御信号を決定した。これは、DAQ部に送ることのできるデータ量の限界値が、オンライントリガーに要求される性能を決めるからである。DAQ部では、データを最終的に計算機のハードディスクに書き込まなければならないため、その処理限界値は大きく下がり、40メガバイト/秒程度であった。DAQ内部での処理遅延時間を考慮して、ADCとDAQの間は、32ビットで、42.3MHzのクロックでデータ転送を行うこととした。また、データのクオリティや、システムの安定性を考慮して、ビジー信号やパリティビットも準備した。 ADCへ入力される検出器からの信号は、現在この種のシステムの開発が要求される、一般的な半導体検出器の使用を仮定して、1事象あたり4〜24キロバイトと設定した。要求される事象頻度が2kHzとすると、8〜48メガバイト/秒のデータが入力となる。この環境で不感時間を10%以下にするためには、データの大きさもしくは事象頻度を1/(10)程度にすることが要求される。 オンライントリガー部の回路は、FPGA(Field Programmable Gate Array)を用いて製作した。1/(10)程度のデータ量の削減を行うためのアルゴリズムを開発し、理論上その性能が達成されることを確認した。 次年度はさらに現実的なアルゴリズムの開発と、実際の実験データによる実証を行う予定であるため、実証実験のためのシステムを準備中である。
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