2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18740142
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
濱中 真志 名古屋大学, 多元数理科学研究科, 助手 (70377977)
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Keywords | ソリトン / 可積分系 / 非可換幾何 / 素粒子論 |
Research Abstract |
研究実施計画に基づき、佐藤理論およびツイスター理論・Ward予想に取り組んだ。佐藤理論の非可換化に関しては、非可換KP階層の多重ソリトン解の散乱過程の漸近解析とその拡張(戸田階層、トロイダル階層など)を行い、論文「Notes on exact multi-solit on solutions of noncommutative integrable hierarchies」として発表した。さまざまな非可換階層のソリトン解の記述にQuasi-determinantsというある種の非可換行列式が本質的役割を果たすことが明らかとなり、散乱過程の議論もその数学的性質から明快に理解された。Quasi-determinantsにはプリュッカー関係式に相当するものが存在し、非可換階層方程式の双線形化がこれらに帰着する可能性がある。これについて弊引き続き研究を続けている。これらの成果は主に、グラスゴー大学での研究打ち合わせによるところが大きい。 ツイスター理論・Ward予想の非可換化に関しては、非可換ツイスター理論の枠組みから4次元非可換反自己双対Yang-Mills方程式(Yangの方程式)に関するベックルント変換を見出し、Atiyah-Ward解と呼ばれる解をQuasi-determinantsの言葉で具体的に書き表すことに成功した。このベックルント変換は本質的に全ての解を生成するものと考えられ、非可換Ward予想の具体例を通して、低次元の非可換方程式の解構成や解空間の構造解明に重要な役割を果たすことが期待される。これについても引き続き研究を続けており、次年度に論文としてまとめる予定である。これらの成果は主に、オックスフォード大学、グラスゴー大学での研究打ち合わせによるところが大きい。 またこれら一連の成果を各種学会や各大学のセミナーで発表し、討論を行った。
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Research Products
(1 results)