2006 Fiscal Year Annual Research Report
次期ニュートリノ振動実験にむけたニュートリノー核子散乱の詳細研究
Project/Area Number |
18740145
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
横山 将志 京都大学, 大学院理学研究科, 助手 (90362441)
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Keywords | ニュートリノ / ニュートリノ-核子反応 / 散乱断面積 / 粒子検出器 / 光電子増倍管 / 波長変換ファイバー |
Research Abstract |
ニュートリノ-原子核反応断面積精密測定実験(FNAL-E954、sciBooNE)の準備として、日本でK2K実験のため用いたSciBar(サイバー)検出器をアメリカ・フェルミ国立加速器研究所(FNAL)に運搬し、同所内で再建設した。日本から運搬したプラスチックシンチレータの層を新たに製造した構造体に取り付け、14336本の波長変換ファイバーをプラスチックシンチレータに差し込み、光電子増倍管と読み出しエレクトロニクスを取り付けた。sciBooNE実験のデータ収集システムの責任者として、K2Kで用いたシステムを元にSciBooNE実験向けに新たなシステムの構築・試験を行った。また、FNALのビームラインに対応して高レートのデータ収集を可能にするためにデータ収集系の改良を行った。検出器組み立て後宇宙線による試験を行った結果、K2K実験での性能と同等の性能が得られることを確認した。K2K実験などこれまでの実験で得た経験を生かし、検出器を素早く立ち上げるために中心となって貢献した。これにより、2007年夏の実験開始に向けて準備が整った。これらの活動すべてに対して、現場での総指揮を執った。また、K2K実験のデータ解析については、SciBar検出器を用いた電子ニュートリノの混入比測定の結果がK2K実験によるニュートリノ振動研究の最終結果に用いられたほか、荷電カレント1π生成反応を中心に解析を進め、2007年5月末の「第5回数GeV領域でのニュートリノー原子核反応ワークショップ」での発表に向けて最終結果をまとめている段階である。
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