2007 Fiscal Year Annual Research Report
次期ニュートリノ振動実験に向けたニュートリノ-核子散乱の精密測定
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18740145
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
横山 将志 Kyoto University, 大学院・理学研究科, 助教 (90362441)
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Keywords | 素粒子実験 / ニュートリノ / ニュートリノ振動 / ニュートリノ散乱 / 散乱断面積 / 核子構造 |
Research Abstract |
本研究は、日本で現在準備が進められている東海-神岡長基線ニュートリノ振動実験を初めとする次世代のニュートリノ振動実験の成功に不可欠な、1GeV付近のエネルギー領域でのニュートリノ-核子散乱断面積を詳細に測定する事を目的として行った。高エネルギー加速器研究機構で行われたK2K実験のデータ解析では、特に荷電カレントπ生成反応の研究を行った。荷電π・中性πの両方の解析を行い、結果は国際会議等で報告したほか近々論文を投稿する見込みである。また、前年度に引き続き米国フェルミ国立加速器研究所(FNAL)でのSciBooNE実験の準備を進め、本年度6月からデータ収集を開始した。夏の加速器メンテナンスのためのシャットダウン以前に反ニュートリノデータを予定の約半分、その後年度末までにニュートリノデータをほぼ予定の量取得した。FNALでの高強度ビームを使用したことで、短期間のデータ取得でK2Kでのデータの約4倍の統計量に相当するニュートリノ反応数を収集できたほか、反ニュートリノに関しては世界にこれまで例のない統計量と品質のデータを取得した。加速器・検出器・データ収集システムの安定性をデータ収集中に常時チェックする機構を確立したほか、データ解析のためのソフトウェアをK2Kの経験に基づいて構築した。解析は現在も進行中であるが、荷電カレント散乱で生成されたミューオンの角度分布がこれまでのニュートリノ反応モデルでは説明できないなどの興味深い結果を得ており、予備的な結果を年度末の日本物理学会で報告した。
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