2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18740152
|
Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
高橋 智彦 Nara Women's University, 理学部, 助教 (10324956)
|
Keywords | 素粒子論 / 数理科学 / 超弦理論 / 弦の場の理論 / タキオン凝縮 |
Research Abstract |
弦の場の理論における古典解とゲージ構造について明らかにするという研究目的を実現するため、ボゾン型の弦の場の理論におけるタキオン凝縮解に関する解析を行った。昨年度に導入したワークステーションによる計算システムを活用し、計算プログラムの改良および理論の解析という研究計画にほぼ沿った研究を行い、今まで計算されなかった様々な量を計算することに初めて成功した。 解析的なタキオン凝縮解の真空エネルギーはレベル切断近似とよばれる計算法によっても得られると考えられていたが、このことを高い計算精度で確かめることができた。特に、ピュアゲージ解からタキオン凝縮解への変化をレベル切断の下で初めて計算できた。このとき、相互作用項を含めた数値計算を初めて実行し、解析解の中のphantom項の寄与がなくても解析的な結果と同様の結果が得られることを示した。 この解析解に対するある種のゲージ不変量を、研究計画にある二つの手法、解析的手法と数値的手法、によって初めて計算した。このゲージ不変量についても、ピュアゲージ解とタキオン凝縮解とでは違う値となることを示した。このゲージ不変量の値は、解析的な計算ではタキオン凝縮解のphantom項の寄与のみから得られ、数値的な計算ではphantom項以外の寄与により決まることを示し、このようなphantom項の振舞いは真空エネルギーに対するものと同様であることを指摘した。また、タキオン解析解に対するゲージ不変量の値は、Siegelゲージにおける数値解に対する値と一致することを示し、両者がゲージ同値であることへのさらなる証拠を与えることができた。
|
Research Products
(4 results)