2007 Fiscal Year Annual Research Report
ガンマ線バースト・超新星残骸の放射機構の解明と高エネルギー宇宙線の起源の研究
Project/Area Number |
18740153
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
山崎 了 Hiroshima University, 大学院・理学研究科, 助教 (40420509)
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Keywords | 高エネルギー宇宙物理学 / ガンマ線バースト / 高エネルギー宇宙線 / 超新星残骸 / 相対論ジェット / 衝撃波 / 宇宙線粒子加速 |
Research Abstract |
本年度は、ガンマ線バースト(GRB)の放射機構を探ることで、その中心天体やジェットの構造に対する考察を行った。また、我々の銀河系内にある超新星残骸や超高エネルギーガンマ線天体の観測から、宇宙線加速機構に対する知見を得た。おもな成果は以下の通りである。 1. GRB本体と同時に光る可視光放射の多様性の起源を相対論的ジェットモデルで説明した。 2. GRBの早期X線残光に見られる急激な減衰の様子を調べることで、GRBを引き起こす相対論的ジェットのエネルギー分布について知見が得られることを示した。 3. GRB発生がら1日後程度のX線・可視光同時観測を行い、その段階では標準モデルで説明できないイベントがあることを発見した。 4. GRBの早期X線残光中の急激な減衰の段階の詳細解析を行い、この段階は二つの独立な成分の重ね合わせであることを発見した。 5. 超新星残骸RCW86北東部のX線観測を行い、この部分は分子雲と相互作用する宇宙線加速の現場である可能性を指摘した。 6. 超高エネルギーガンマ線未同定天体HESSHJ1614-518をX線で追観測し、この天体における電子加速が非効率的であること、陽子加速が効率的である可能性を指摘した。 このような結果を踏まえ最終年度となる来年度は、GRBの相対論的ジェットモデルの精密化、及び宇宙線陽子の加速機構についてさらに検討を進めたい。
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