2006 Fiscal Year Annual Research Report
蓄積リングにおけるイオントラップ現象の3次元可視化シミュレーション研究
Project/Area Number |
18740156
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
橋本 智 兵庫県立大学, 高度産業科学技術研究所, 助教 (80285337)
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Keywords | 加速器 / 可視化 / 計算物理 / シミュレーション工学 |
Research Abstract |
本研究では放射光専用電子蓄積リングにおいて高エネルギー電子との衝突により生成されたイオンが複雑な場(蓄積リングの偏向電磁石、四極電磁石、挿入光源およびビーム自身が作る場の複合)の中でどのような挙動をするのかを3次元多粒子シミュレーションを用いて解明する。特に放射光リングにおいて挿入光源が使われたときに、挿入光源の周期的な磁場の中でイオンがどのような挙動をするのか明らかにする。 平成18年度においてはシミュレーション研究のための計算機環境の整備を行い、イオンの運動方程式(物理モデル)からシミュレーションに適した計算モデルを構築した。また3次元粒子シミュレーションコードの前段階としての2次元コードの開発をFortran言語を用いて行った。 電子蓄積リングにおける様々な磁場(ドリフトスペース、偏向電磁石内およびその周辺、4極電磁石、6極電磁石、アンジュレータ磁場、等)および集群した電子ビームの作る電場の下におけるイオンの運動を明らかにするため、先ずは最も簡単なドリフトスペース内でのイオンの運動をシミュレーションにより解析し、またその計算結果の可視化を行えるようにした。 平成19年度には、シミュレーションコードを3次元に拡張し、様々な磁場環境におけるイオンの挙動を計算を行えるようにする。さらに蓄積リングにおけるイオントラップのビームパラメータ依存性を明らかにし、イオントラップによるビーム不安定性を避けるための手段を検討する。
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