2007 Fiscal Year Annual Research Report
電磁流体数値実験による核子再結合型超新星爆発の可能性の探求
Project/Area Number |
18740163
|
Research Institution | Kumamoto National College of Technology |
Principal Investigator |
藤本 信一郎 Kumamoto National College of Technology, 電子制御工学科, 准教授 (10342586)
|
Keywords | 宇宙物理 / 理論天文学 / ガンマ線バースト / 超新星 / 元素合成 |
Research Abstract |
本研究では、平成18年度本研究課題の成果である2次元電磁流体数値実験に基づいて、回転大質量星からジェットとして放出されるガスの質量・化学組成を調べた。重力崩壊前の大質量星の鉄コアが高速回転(10rad/s)し、強磁場(10の12乗ガウス)の場合に加えて、様々な回転角速度、磁場を持つ大質量星に対してジェットの化学組成を計算した。4000種を超える原子核を考慮した核反応ネットワークを用いてジェットの化学組成進化を追った結果、エネルギーの大きなジェットではジェット中では速い中性子捕獲反応が進行し、ジェットのエネルギーが大きいほどより重い中性子過剰な原子核が合成されることがわかった。不安定核崩壊後のジェットの化学組成は太陽系組成と似たプロファイルを持つこともわかった。また放出されたニッケル量は重力崩壊前の大質量星の性質に依存し、ジェットのエネルギーで分類できることがわかった。エネルギーの大きなジェットの場合は、ニッケル放出量は多く、もしジェットの放出時間が長ければ、極超新星と同程度のニッケルを放出可能であることを示した。一方エネルギーの小さなジェットの場合、ニッケル放出量は非常に小さく、このような大質量は近年比較的近傍において観測された超新星の付随しないガンマ線バーストの親星に対応すると考えられる。さらにジェットとして放出されるガスにおいて進行する核反応の際に生じる核エネルギーを見積もり、速い中性子捕獲反応が進行し、ウランを合成するようなジェット以外では、核エネルギーのジェットの運動への影響は小さいことを示した。
|
Research Products
(3 results)