2007 Fiscal Year Annual Research Report
宇宙論的非線形ダイナミクスとダークエネルギー・ダークマター問題
Project/Area Number |
18740164
|
Research Institution | Okinawa National College of Technology |
Principal Investigator |
森田 正亮 Okinawa National College of Technology, 総合科学科, 准教授 (50390563)
|
Keywords | 宇宙物理 / 理論天文学 |
Research Abstract |
本研究の目的は、宇宙のダークエネルギー・ダークマターの物理的実体やオーダーの一致問題を解明する上で、宇宙の非一様構造の非線形進化がいかに寄与するか、を定量的に考察することにある。平成19年度は、ダークエネルギーとダークマターを統一的に記述できる、ある種のモデルについて主に考察し、そのモデルの非一様性の進化を調べるために必要な数値計算の準備を行った。 ダークエネルギーとダークマターに関する大きな問題として、これらのエネルギー密度が時間的に全く異なる振る舞いをすると考えられるにも関わらず、現在ではそのオーダーが一致していることが挙げられる。これに対し、我々はボーズ・アインシュタイン凝縮に基づいた、ダークエネルギーとダークマターの統一モデルを提唱してきた。このモデルでは、元々宇宙を満たしていたボーズ気体が凝縮を起こすことによってダークエネルギーとなり、その凝縮体が負の圧力によって崩壊しダークマターを構成する、という興味深いものである。 このモデルを定量的に検証するには、数値計算による詳細な検討が必要である。特に非一様性が小さい間は膨張宇宙での線形摂動論と整合的でなければならない。この点に注意を払いながら、球対称な下での凝縮体の重力崩壊を調べるための数値計算の準備を行った。 これらの点に関して、お茶の水女子大学理学部の森川雅博教授を中心とする研究グループおよび東京工業大学理学部の細谷暁夫教授と議論を行った。
|