2008 Fiscal Year Annual Research Report
将来実験、観測に向けての標準模型を超える素粒子理論の解析及び構築
Project/Area Number |
18740170
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Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
岡田 宣親 High Energy Accelerator Research Organization, 素粒子原子核研究所, 助教 (40360333)
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Keywords | 超対称性 / 余剰次元 / コライダー物理 / 宇宙論 |
Research Abstract |
超対称模型、ブレーン・ワールドシナリオやリトルヒッグス模型など、様々な標準模型を超える新しい物理模型が提唱されている。これらの模型について、将来加速器実験、特にLHC実験やリニアコライダー実験における検証可能性とともに、模型の同定方法についての研究を行った。また、小さなニュートリノ質量を自然に説明するシーソー機構をもつ模型において、ヒッグス物理への影響、特に、ヒッグス質量への理論的な制限に対する効果について解析を行い、ヒッグス質量の理論制限が標準模型のそれと大きく変わることを示した。特に、シーソー機構の種類によって、質量値が大きくなる、あるいは小さくなることを見出した。 一方で、新しい素粒子模型の構築も行った。ここでは5次元時空上での超対称大統一模型を構築し、4次元統一模型の問題点、triplet-doublet Higgs boson mass splitting問題や観測結果と矛盾する陽子の崩壊寿命問題などの解決を提唱した。さらに、この模型においてへ、超対称性の破れの伝達機構や宇宙論的な応用としてのインフレーション模型などの現象論的側面についての研究も行った。
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