2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18740172
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
長尾 和多加 東北大学, 電気通信研究所, 助手 (00361197)
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Keywords | 第一原理計算 / 輸送 / 表面・界面 / 磁性 |
Research Abstract |
第一原理計算で得られた電子状態に基づいて、線形応答理論から振動数依存伝導度を計算するコードを開発した。またそのコードを利用して、磁性金属リード/絶縁層/磁性金属リード系のトンネル磁気抵抗を議論した。この計算では、磁性金属リード部分は半無限系とはせず、磁性金属と絶縁体(または半導体)からなる多層膜をスーパーセル法で取り扱っている。この置き換えが妥当であるのは、トンネル磁気抵抗のほとんどの部分が、絶縁層近辺における散乱からくるという事情による。そして、多層膜の振動数依存伝導度を(周期性が影響しない振動数領域における振舞いから)ゼロ振動数へ外押することにより、磁性金属リード/絶縁層/磁性金属リード系の直流伝導度を探っている。 実際に調べた興味深い系として、Co_2CrAl/GaAs(110)多層膜があげられる。 Co_2CrAlはバルクとしてハーフメタル性をもつだけでなく、GaAsとの(110)界面でも高いスピン偏極率を維持することが分かっている。但し、このスピン偏極率は局所的な状態密度から定義されており、輸送特性に反映されるかどうかには不確かさが残っていた。そこで本年度開発した手法を用いて、Co_2CrAl/GaAs(110)多層膜の解析を実行した。その結果、磁化が反平行のときだけ、低振動数領域で伝導度が顕著な減衰を示すことが分かった。一方、界面のスピン偏極率が著しく低下する(100)多層膜では、平行磁化と反平行磁化で際立った違いは見られなかった。この結果は、Co_2CrAl/GaAs(110)界面の高スピン偏極と輸送特性との密接な関係を示唆するものである。
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