2006 Fiscal Year Annual Research Report
半導体量子ドットにおける双極子-双極子相互作用のコヒーレント効果
Project/Area Number |
18740173
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
三森 康義 東北大学, 電気通信研究所, 助手 (70375153)
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Keywords | 光物性 / 最子ドット / 量子工レクトロニクス / 物性実験 |
Research Abstract |
半導体量子ドット間の相関を実現するために、量子ドット間における励起子-励起子(双極子-双極子)相互作用(ローカルフイールド効果)について着目し、以下の2点について研究を進めた。 (1)高密度InAs量子ドット中の励起子状態において巨視的な測定法である四光波混合法により位相緩和時間を評価し、さらにラビ振動の観測に成功した。位相緩和時間は4.2K下で2.6nsと非常に長いものであった。また、観測されたラビ振動の形状は、通常の正弦関数的形状から大きく異なり、第1パルスの励起電場の関数として観測した場合と、第2パルスによるものでは大きく形状が異なることが観測された。また励起強度により振動の周期、振幅が変化することも観測された。これらの実験結果はローカルフィールド効果により定性的に説明できることを示した。 (2)微視的な側面からローカルフィールド効果を明らかにするための顕微ヘテロダインポンプアンドプローブ分光法の開発を行った。半導体量子ドット1個の光学的時間応答を調べるためには、非常に微弱なプローブ光の反射率変化の測定を行うことが必須条件である。この実験上の困難を克服するためにヘテロダイン干渉計を用いて、プローブ光を光学的に増幅して測定するシステムの構築に成功した。テストサンプルとしてGaAs量子ドットの単一量子ドット中に生成された励起子の時間応答の測定に成功し、この分光法が時間分解単一量子ドット分光において非常に有効な手法であることを示した。他に電子状態の効率的な制御を行うためのフェーズロックパルス対の発生にも成功した。
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Research Products
(2 results)