2007 Fiscal Year Annual Research Report
Cu(001)表面におけるマンガン窒化物ナノ構造の成長、電子状態と磁性
Project/Area Number |
18740177
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中辻 寛 The University of Tokyo, 物性研究所, 助教 (80311629)
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Keywords | 表面・界面物性 / 表面ナノ構造 |
Research Abstract |
19年度は、Cu(001)表面上におけるマンガン窒化物(MnN)ナノパッチの周期構造の成長過程と原子構造、電子状態と磁性を、走査トンネル顕微鏡(STM)観察、X線光電子分光(XPS)、軟X線吸収分光(XAS)と磁気円二色性(XMCD)と磁気円二色性(XMCD)測定を用いて調べた。XASとXMCD測定は、高エネルギー加速器研究機構と分子科学研究所の放射光施設にて行った。STM観察では、MnNの低被覆率から飽和被覆率に至るまでの過程を詳細に調べ、ナノ周期構造形成のメカニズムぶ、MnNナノパッチが下地Cuに誘起する歪みを緩和するものとして理解できることを明らかにした。この歪み緩和は表面第2層目までで起きており、これまでに知られている弾性歪み緩和モデルとは異なるメカニズムである。この結果をまとめた論文が厩に受理されている。次に、Mn2p内殻吸収端でのXMCD測定を4K、5Tの極低温強磁場下で行ったが、MCDシグナルはゼロであり、強磁性ではないことがわかった。また、Mnは2価イオンのような振る舞いを示すこともわかった。スペクトル形状には入射光偏光依存性が見られたので、これが反強磁性を反映した線二色性(XMLD)なのか、電子状態の異方性を反映しているのかを調べるために、バルクMnN結晶のネール点付近の温度でのXAS測定を行った。これらの結果と、XPS測定によるMn2p,2s内殻スペクトルとを、配置間相互作用を取り入れたクラスター計算によって再現し、電子状態の詳細な情報を議論するべく、現在解析中である。本年度は、国外も含めて3件の学会発表を行い、昨年度の成果をまとめた報文1報も出版された。
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[Presentation] Self-assembled MnN superstructure2007
Author(s)
X.-D. Liu, B. Lu, T. Iimori, K. Nakatsuji, F. Komori
Organizer
17th International Vacuum Congress, 13th International Conference on Surface Science
Place of Presentation
Stockholm international fairs
Year and Date
2007-07-04