2006 Fiscal Year Annual Research Report
磁場及び電場によるバナジウム酸化物の軌道秩序相の制御
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18740192
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
宮坂 茂樹 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (70345106)
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Keywords | ペロブスカイト / バナジウム酸化物 / DyVO_3 / リエントラント相転移 / 磁気・軌道秩序 / 磁場誘起軌道秩序スイッチング / 磁場中放射光X線散乱 / 磁場中ラマン散乱 |
Research Abstract |
本年度は、ペロブスカイト型バナジウム酸化物DyVO_3での外部磁場誘起軌道秩序スイッチング現象を発見し、そのメカニズムを明らかしにした。まず、DyVO_3はエネルギー的にほとんど縮退した2つの磁気・軌道秩序相の境界に位置しているため、温度を降下させるとともに、磁気・軌道の秩序パターンがC→G→C型、G→C→G型のように各々リエントラント相転移を示すことが、磁化、放射光光源を用いたX線散乱、ラマン散乱による軌道波やフォノンバンドの観測により明らかとなった。低温での磁気・軌道秩序相転移は、Dyの4fモーメントの磁性転移温度(〜20K)において生じている。中間温度領域(20K〜64K)のG型磁気C型軌道秩序相では、磁場を斜方晶ペロブスカイト構造のa軸あるいはb軸に印加することで、高磁場のC型磁気G型軌道秩序相へと、磁気・軌道秩序のパターンが磁場誘起スイッチングする。この磁場誘起相転移と同時に、Dyの4fモーメントのフロップによるメタ磁性転移が磁化の磁場依存性の測定において観測されている。DyVO_3ではDyの4fモーメントはイジング的に振る舞い、そのイジング容易軸はab面内に存在している。Dyの4fモーメントは低温での磁気転移温度以下で、あるいは外部磁場印可により強磁性的な再配列を起こす。このDyの磁気モーメントの強磁性状態はVのC型磁気秩序を安定化している。そのため、中間温度領域のVのG型磁気秩序状態は低温で、あるいは磁場下でC型磁気秩序へと相転移する。ペロブスカイト型バナジウム酸化物では、磁気秩序と軌道秩序が強く結合している。そのために、低温や磁場下でC型磁気秩序への相転移が生じると同時に、軌道秩序のパターンもC型からG型へとスイッチする。磁場中放射光X線散乱は、高エネルギー加速器研究機構放射光研究施設とSPring8で、磁場中ラマン散乱は産総研CERCで実験を行った。
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