2006 Fiscal Year Annual Research Report
光ファイバ変位計を用いた量子磁性体の磁場誘起構造相転移の研究
Project/Area Number |
18740196
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
鳴海 康雄 東京大学, 物性研究所, 助手 (50360615)
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Keywords | 強磁場 / 磁歪 / 構造相転移 / 光ファイバー / レーザー変位計 / 放射光 / 歪みゲージ |
Research Abstract |
光ファイバ方式レーザー変位計を用いた磁歪測定装置の開発を行った。低温強磁場環境下でも光ファイバおよびファイバーを束ねる樹脂等が劣化しないかどうかそして真空を保持できるかどうか、液体窒素温度までファイバーを冷却する熱サイクルの繰り返しテストを行って各材料の耐久・性能テストを行った。テスト結果をベースにして、ファイバのマウント構造等を含めた装置の設計を行って、実験装置の開発を行った。 磁場誘起構造相転移を示す物質群の探索と磁場中歪み測定の基礎データ収集のために、磁気フラストレーションを有する反強磁性体CuFeO_2とCoOに関する歪みゲージを用いた磁歪測定を行った。CuFeO_2においては、報告されている階段状の磁場誘起相転移に対応した不連続な格子の膨張およびドメインの再形成を示す顕著な磁場履歴を観測した。CoOに関しては、磁場の印加によるスピン構造の変化が起こっていると考えられる磁場領域で、不可逆な構造変化を観測した。それらの結果を2007年3月に開催された日本物理学会において報告した。 三角格子反強磁性体CuFeO_2に関する磁場中でのより詳細な構造に関する情報を得るために、SPring-8/BL19LXUにおいて放射光X線を用いたパルス磁場中X線回折実験を行い、磁場によって誘起される逐次構造変化に対応した格子定数の階段状の変化を観測した。それらの結果は論文誌Phys.Rev.B 74 1880404(R)(2006)及び2007年3月に開催された日本物理学会において報告した。
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