2006 Fiscal Year Annual Research Report
圧力誘起磁気相転移を示す重い電子系イッテルビウム化合物の微視的研究
Project/Area Number |
18740212
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
室 裕司 東京理科大学, 理工学部, 助教授 (50385530)
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Keywords | 封管ブリッジマン法 / 圧力誘起磁気相転移 / Yb化合物 / CeRh_2Si / CeIr_3Si_2 / Ce_2Pt_3Si_5 / 近藤格子化合物 |
Research Abstract |
封管ブリッジマン法を用いた結晶育成環境を整備し、圧力誘起磁気相転移を示すYbRhSbの単結晶育成及び新規Yb化合物の物質探索を行った。新物質開発については、単一相の試料が得られなかったため、今後は育成条件の最適化を行う。 上記の環境整備と平行して、新規重い電子系Ce化合物の探索を行い、3つの化合物について物性を明らかにした。CeRh_2Siは電子比熱係数が100mJ/molK^2の新しい思い電子系化合物で、1K付近で結晶構造の不均一によるスピングラス転移を示す。さらにRhをIrまたはPtに置き換えるても同じ結晶構造を示すことを見出した。Celr_2Siは価数揺動と呼ばれる状態にあり、CePt_2Siは6.6Kで反強磁性転移をおこす。以上の結果は学会発表及びJournal of Magnetism and Magnetic Materials誌にて報告した。 2つめのCelr_3Si_2は4.1Kおよび3.3Kで複雑な磁気秩序を示す近藤格子化合物で、特に3.3K以下の低温では3段のメタ磁性転移を示すことを明らかにした。本物質について単結晶試料を用いた物性測定を行い、磁気モーメントがbc面内でゆらぐ異方性が非常に強い物質であることが分かった。以上の結果も、学会発表及びJournal of Magnetism and Magnetic Materials誌にて報告した。 3つめのCe_2Pt_3Si_5は、Snフラックス法を用いた単結晶育成に成功し、物性測定により6.3Kで反強磁性に転移することを明らかにした。さらに、高温ではc軸に向きやすい磁気モーメントが、反強磁性状態ではb軸に平行に整列することが分かった。また、この物質も近藤格子化合物である。以上の結果について学会発表を行い、論文は現在投稿中である。
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Research Products
(3 results)