2007 Fiscal Year Annual Research Report
ウラン・ネプツニウムを含むカルコゲナイド化合物の単結晶育成と5f電子状態の研究
Project/Area Number |
18740216
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
池田 修悟 Japan Atomic Energy Agency, 先端基礎研究センター, 博士研究員 (80414580)
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Keywords | β-US_2 / UTeS / 強磁性 / 圧力下電気抵抗 |
Research Abstract |
本年度は、前年度に続き斜方晶UXS(X,:S,Se Te)の研究を行った。β-US_2は、4.2Kまで磁気秩序を示さない常磁性半導体である。XサイトがSからSe,Teと変化したUSeSやUTeSでは、伝導は金属的になり、磁性は強磁性へと変化する。 臭素もしくはヨウ素を用いた化学輸送法により、常磁性体β-US_2及びUTeSの単結晶育成を行った。この単結晶による磁化測定の結果、両化合物共に、非常に一軸異方性が強く容易軸は[001]方向であることが明らかとなった。次に両化合物に対して圧力下で電気抵抗測定を行った。UTeSでは、圧力と共に、室温付近の電気抵抗値が大きく減少し、より金属的な振る舞いへと変化した。またOGPaでは87Kであった強磁性転移温度が、8GPaの圧力下では、166Kまで上昇することも明らかとなった。同じ結晶構造を持つβ-US_2においても同様の圧力効果が観測された。つまり圧力の増加に伴い、伝導は半導体から金属的な振る舞いへ近づくことが明らかとなった。特に低温では、数桁も抵抗値が減少しており、非常に大きな圧力効果を示す。またこの変化に伴い、電気抵抗に折れ曲がりの異常Taが観測された。このTaも、UTeSの強磁性転移温度と同様、圧力の増加と共に、増加する。強磁性体UTeSとの比較から、この異常Taは、強磁性転移である可能性が高い。以上の結果から、この系では、伝導の増加と強磁性相互作用の間に密接に相関があることを明らかにすることができた。
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Research Products
(4 results)