2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18740223
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
斎藤 政通 The Institute of Physical and Chemical Research, 河野低温物理研究室, 基礎科学特別研究員 (70415165)
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Keywords | 超流動 / ジョセフソン効果 / P波超流動 / ジョセフソン接合 / 低温物性 / 量子液体 / 異方的超伝導・超流動 / ヘリウム3 |
Research Abstract |
超流動3^<He>でのジョセフソン効果は、細孔で接続された2つの容器を用いる手法で確認されている。本研究では、これを平面展開型のくし型電極上で実現することで、量子位相、幾何学的形状、超流動相の選択においてより自由度の高い制御を行い、巨視的量子トンネル現象やアンドレーエフ束縛状態など、ジョセフソン接合と密接に関連した重要な現象の解明への進展を目的としている。 くし型電極は、2つの微細な櫛状の電極によりガラス基板上に形成された平面展開型コンデンサーである。2つの上下に隣接したくし型電極を、バルクの超流動3Heの液面に対し垂直に設置し、下側電極の一部分のみバルク液面下となる配置にする。上下電極2対への印加電圧の調整により、上側電極とバルク液の間に化学ポテンシャルの差を設けることができる。したがって、超流動-常流動-超流動の配置が、バルク液-下側電極-上側電極の位置で形成されるとき、化学ポテンシャル差に比例した振動数でのジョセフソン振動が現れると考えられる。本研究では10kHz程度のジョセフソン振動が予測され、1k〜1MHzの範囲で実験を行ったが、検出には至らなかった。原因として、ウィークリンクを形成するには常流動領域が長過ぎたことが考えられる。この解決策として、バルク液面位置の精密な制御を通し、常流動領域を狭める方法が考えられる。このため、0.1mm間隔で並んだ60枚の銀板で構成される平行平板コンデンサーを作成し、試料容器内に設置した。これまでに新しい実験装置の作成・動作試験を完了し、測定に臨む段階にある。
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