2006 Fiscal Year Annual Research Report
大規模電子構造計算によるナノ金属系の変形プロセスと電気伝導
Project/Area Number |
18740228
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
星 健夫 鳥取大学, 工学部, 助教授 (80272384)
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Keywords | 非平衡グリーン関数理論 / ナノ金属 / オーダーN法 / 電子構造計算 |
Research Abstract |
本研究の目的は、これまで独自開発してきた電子構造計算プログラムコードを改変し、ナノ金属の変形過程シミュレーションと非平衡グリーン関数計算を用いた電気伝導計算を行うことである。以下、本年度の成果を述べる。 1、大規模計算の基礎理論として、これまでは半導体への応用しか行ってこなかったが、本研究では、FCC銅・液体Cなど金属系への応用を行い、手法の汎用性を示した(研究発表欄雑誌論文1件目および2件目。解説記事(依頼原稿)として;星健夫・藤原毅夫、「超大規模電子構造計算と10nmスケール系の物理」日本物理学会誌2006年4月号256-259頁。招待請演として;星健夫「超大規模電子構造計算とナノ構造プロセス」日本物理学会2006年春の年会,シンポジウム「次世代第一原理量子シミュレーションによる量子デザイン手法の展開」)。 2、金属系へ通用できる大規模グリーン関数計算手法において、局所的な電子状態が議論できることを示した(研究発表欄雑誌論文3件目)。 3、分子動力学計算への応用として、典型的なナノ金属変形プロセスである、ヘリカル金ナノワイヤの生成プロセスシミュレーションに取り組んだ(継続中。プレプリントとして、Y.Iguchi, T.Hoshi, T.Fujiwara, preprint : cond-mat/0611738)。 4、非平衡グリーン関数計算は完成したプログラムを用いて、金属ナノワイヤ系の計算を行った。具体的には、LMTO理論から導かれた汎用ハミルトニアンにより、様々な原子種(遷移金属)・径の大きさ・ワイヤ長などについて計算を行い、その系統性を調べた。非平衡電流の固有チャネル分解理論を独自に拡張し、ナノメートルスケール系の特徴である複雑なコンダクタンスの振る舞いの根源を明らかにした(品岡寛,星健夫,藤原毅夫,日本物理学会2006年秋季大会26pYH-5) 以上。
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Research Products
(3 results)