2007 Fiscal Year Annual Research Report
トポロジカル・オーダーを用いた量子コンピューティング
Project/Area Number |
18740229
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
猪野 和住 The University of Tokyo, 大学院・総合文化研究科, 助教 (30334303)
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Keywords | トポロジカル・オーダー / 量子コンピューティング / ボーズ・アインシュタイン凝縮 |
Research Abstract |
回転ボーズ原子気体のトポロジカル・オーダーを持つ状態の性質を研究した。特に量子コンピューティングに応用するうえで注目されているトポロジカル・オーダーを持つと予想される回転と密度の比のパラメーターν=1という場合に弱い双極子相互作用がある場合でも非アーベル的なトポロジカル・オーダーを持つ量子液体状態が安定して存在しているが、双極子相互作用が強くなると、密度波を持つ状態に量子相転移を示すことがわかった。その過程でいくつかの相関関数を組み合わせる解析手法を考案した。また並進対称性を利用したアルゴリズムを考案した。これらの成果の主要な部分を論文にまとめて投稿した(掲載許可済)。 プリンストン大学を訪問しAutonio Garcia-Garcia講師と非エルミート量子力学の共同研究について打ち合わせをした。非エルミート性があらわれる複素固有値を持つ固有状態と実固有値を持つ固有状態の敷値において見られる特異なスケーリング則とともに、固有状態自体のフラクタル性についても調べるべきとの意見であった。 ハーバード大学ライマン研究所を訪問しM.Hafezi研究員と共同研究について議論した。境界条件を変えていった場合の状態の推移の特性を示すチャーン数の計算方法について教えていただいた。またB. I. Halperin教授と電子系のν=5/2問題について議論し、いくつか有益な情報を得た。
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