2008 Fiscal Year Annual Research Report
トポロジカル・オーダーを用いた量子コンピューティング
Project/Area Number |
18740229
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
猪野 和住 The University of Tokyo, 大学院・総合文化研究科, 助教 (30334303)
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Keywords | トポロジカル・オーダー / ボーズ気体 |
Research Abstract |
本計画では当初フラストレートされた2次元スピン系において出現すると予想されるスピン液体のトポロジカル・オーダーの性質を調べる計画であったが、研究を進めた結果、そうしたスピン液体は秩序状態から秩序状態の相転移点においてのみ現れるにすぎず、またその性質も、既存の場の理論の枠組みで記述されるものであった。これについて米国の研究者などが発表している話は、理論的に欠陥があるものばかりで、グラントを取るために大袈裟な言葉を言い合う風潮が顕著に進行しているに過ぎない。それでむしろ2次元トラップされた超低温のボーズ原子気体について調べることにした。数値的に調べた結果トポロジカル・オーダーと密度波の競合について新たな知見を得ることができた。新しいアルゴリズムの開発により以前先行していた他国の研究チームより粒子数において優位に立つことができた。具体的には他の研究チームが12個の粒子までしか扱えない場合で16個まで扱えるようになった。それを用いたもろもろの結果が得られたが、それについては今後機会があれば公表する。扱っていた系は多項式環と同型で、考案したアルゴリズムはグレブナ-基底を一意的に表す方法に基づいていて、広い応用があると予想される。量子コンピューティングへの応用については、実際こうした系を使えば他の系よりも安定した量子コンピューティングを行うことができるが、現在知られている系では、計算を行ううえで必要な操作のひとつが見つかっておらず、現実に応用するのは無理であろう。
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Research Products
(1 results)