2006 Fiscal Year Annual Research Report
corner Hamiltonianのくりこみ群的解析
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18740230
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
奥西 巧一 新潟大学, 自然科学系, 助手 (30332646)
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Keywords | くりこみ群 / 密度行列 / カットオフ |
Research Abstract |
量子多体問題のエキゾチックな基底状態の物理を明らかにするためには、低エネルギー状態を選択的に求める理論が必要不可欠である。密度行列繰り込み群(DMRG)法は、1次元量子系において強力な方法ではあるが、臨界系を直接扱うことには成功していない。また、DMRGはくりこみ群という名前が付いているが、くりこみ群のフローのような概念があるのかどうかすらはっきりしない。本年度の研究ではまず、Wilosnの近藤不純物問題に対する実空間くりこみ群を1次元量子多体系に再定式化し、共形場理論によるスケール次元に支配される低エネルギー励起スペクトルを実空間くりこみ群の固定点として求めることに成功した。具体的には系のエネルギースケールをコントロールするためのカットオフパラメーターを人為的に導入し、赤外発散を正則化することにより数値計算で扱うことのできる実空間くりこみ群を定式化し、場の理論により予言される朝永ラッティンジャー普遍クラスに属するスペクトルがくりこみ変換の固定点として導出されることを示した。また、同様のくりこみ群アルゴリズムをcorner Hamiltonianに対しても定式化することに成功した。現在その計算結果の物理的な解釈を行っている。次に、DMRGの応用として、近年注目を集めている量子スピン系の磁化プラトー、磁場誘起3次元秩序、フラストレーションによる磁化カスプなどの問題を扱い、種々の特徴的な振る舞いを明らかにした。具体的には、三角形量子スピンチューブにおいて、並進対称性の破れたギャップ相とギャップレスの状態の間で量子相転移がおこることを示し、チューブの端に現れる有効スピンの状態が重要であることを示した。擬1次元XXZスピン鎖BaCo_2V_2O_8の強磁場中ESRスペクトルに対応する理論計算を行い、さらに臨界指数の厳密計算より、新奇磁場誘起非整合秩序の可能性があることを指摘した。最近、Pr_2Ba_4Cu_7O_<15-δ>という擬1次元超伝導体が発見された。DMRG法を用いて、詳細な基底状態の電子数依存性についての相図を決定した。これにより、Pr_2Ba_4Cu_7O_<15-δ>の超伝導が、フラストレーションの強い領域で起こっていることなどを明らかにした。
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Research Products
(3 results)