2007 Fiscal Year Annual Research Report
corner Hamiltonianのくりこみ群的解析
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18740230
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
奥西 巧一 Niigata University, 自然科学系, 助教 (30332646)
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Keywords | くりこみ群 / カットオフ / 密度行列 |
Research Abstract |
不純物問題に対するWilson型の数値くりこみ群にエネルギースケールをコントロールするためのカットオフパラメーターを人為的に導入し、赤外発散を正則化することにより数値計算で扱うことのできる実空間くりこみ群を定式化した。これにより、場の理論により予言される朝永ラッティンジャー普遍クラスに属するスペクトルがくりこみ変換の固定点として導出されることを示した。この結果を論文にまとめ、日本物理学会欧文誌に報告した。この過程において、Wilson型数値くりこみ群のカットオフの入り方を分析し、Wilson数値くりこみ群には格子間隔、状態の削減にともなうカットオフ、および、連続模型を離散自由度系にマップするときのカットオフが存在することを示し、通称のカットオフは紫外発散でなく赤外発散のカットオフに相当することを明らかにした。また、同様のくりこみ群アルゴリズムを一般の結合の組み合わせを持つスピン系や自由フェルミオン系に対して定式化することに成功した。次に、擬1次元量子スピン系に対し、密度行列繰り込み群を用いて1次元揺らぎの振幅を(数値的に)厳密に求め、そこから新奇非整合秩序をともなう3次元相転移の転移温度を見積もることに成功し、BaCo2V208の実験との比較において大変よい一致を示した。また、密度行列くりこみ群を用いてスピンチューブの1次量子相転移の存在を示すことが出来た。
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Research Products
(4 results)