2008 Fiscal Year Annual Research Report
corner Hamiltonianのくりこみ群的解析
Project/Area Number |
18740230
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
奥西 巧一 Niigata University, 自然科学系, 助教 (30332646)
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Keywords | くりこみ群 / 密度行列 / カットオフ / 状態密度 / カイラリティー |
Research Abstract |
Wilson型の数値くりこみ群に導入されたエネルギースケールをコントロールするためのカットオフパラメーターを結合定数の空間変調と捕らえなおし、さらにそれを曲がった空間上の場の理論に置き換えた形で再定式化した。これにより、格子上の結合定数の変化を連続場の理論のくりこみ群のカットオフを同じレベルで比較することが可能になった。これらの研究結果は現在取りまとめの段階である。また、古典統計力学系のシミュレーションにおいてエネルギー状態密度のスペクトルを求めることは基本的問題であるが、マルチカノニカル法にもとづく平坦ヒストグラムを用いた拡張アンサンブルの考え方を擬1次元系にあわせて拡張し、2次元の状態密度をもちいたWang-Landauアルゴリズムを構成した。鎖内および鎖間の結合定数のエネルギースケールのギャップを効率よく取り扱うことが可能になった。さらに擬1次元イジング模型において、擬1次元系特有の有限サイズ効果、および相転移現象を解析した。この研究成果は日本物理学会欧文誌に出版予定である。次に、1次元量子スピン系に対し、スピン回転をともなうユニタリー変換をほどこすことで、密度行列繰り込み群などの数値的手法をもちいてベクトルスピンカイラリティー(スピン流)を直接計算することを可能にした。これによりジグザグスピン鎖の基底状態におけるスピン流に関する量子相転移の特性を明らかにした。この研究成果は日本物理学会欧文誌に発表した。
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