2008 Fiscal Year Annual Research Report
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18740231
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
北畑 裕之 Chiba University, 大学院・理学研究科, 講師 (20378532)
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Keywords | 界面張力 / 自律振動 / 非平衡開放系 / 相分離 / マランゴニ対流 / 臨界現象 / 結合振動子系 / 散逸構造 |
Research Abstract |
本研究課題においては、非平衡条件下における界面現象のダイナミクスを実験、理論的考察、数値計算を組み合わせることによって解明することを目的とする。その中で本年度は、昨年度の成果を受け、水-樟脳系における界面張力や表面の振動、相分離系においてみられるレーザー照射による界面の生成・消滅、界面活性剤水溶液中における非等方的な結晶成長メカニズムに関して研究を進めた。その結果、次に挙げるような成果が得られた。 (1) 昨年度に引き続き、界面活性を持つ樟脳粒を水面に固定した系で見られる振動現象について考察した。水相の表面張力を変える、水相の表面積を変える、などすることにより得られた実験結果をもとにして、その自律振動のメカニズムについて数理モデルの構築も視野に入れながら考察した。 (2) 水に2種の親水性高分子を混合すると、高分子の性質により相分離する現象が見られる。このような水性二相分離系において、集光レーザーを照射することにより、マイクロメートルスケールの液滴が消滅することが明らかになった。この原因について、レーザー照射による影響をもとにメカニズムを議論し、簡単なモデルを用いてメカニズムを議論した。 (3) カチオン性界面活性剤水溶液中で塩化金酸を還元することにより、金のナノ〜マイクロメートルスケールの棒状結晶(金ナノロッド)が生成することが知られている。この棒状結晶の形態が、界面活性剤水溶液がゲル化する条件下では劇的に変わることを見出した。また、このメカニズムについて議論を行った。
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