2007 Fiscal Year Annual Research Report
構成的方法による異方的超伝導の発現機構に関する研究
Project/Area Number |
18740243
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Research Institution | Ariake National College of Technology |
Principal Investigator |
田中 彰則 Ariake National College of Technology, 一般教育科, 准教授 (80274512)
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Keywords | 物性基礎論 / 強相関電子 / 数理物理 / 低温物性 |
Research Abstract |
平成18年度の研究では、Zhang-Rice singlet状態に基づく電子対凝縮状態およびこの状態が厳密な基底状態となるような具体的なハミルトニアンを構成した(結果はJ. Phys. Aに掲載)。またこの成果を論文にまとめる過程でspin-singlet電子対が生成されるメカニズムの理解が深まり、今年度の研究で、非常に一般化された模型上で、ある種の反強磁性相互作用によりspin-singlet電子対凝縮状態が安定化されることを見出した。具体的には、フェルミ面近傍の電子に相互作用が働く一般的なモデルから出発し、波数空間での電子間相互作用がある条件を満たすときにspin-singlet電子対凝縮状態が厳密に基底状態となることを示した(Statphys23 in Genova, Italyにて発表)。また、相互作用のタイプを変えることで、s波のみならず、d波等の異方的電子対状態を再現することにも成功した。さらに、アイデアを強磁性揺らぎがある場合へと拡張し、通常のHubbardハミルトニアンに強磁性短距離相互作用を加えた模型上で、完全強磁性状態とspin-triplet電子対凝縮状態とが共存しえることを厳密に示した(arXiv:0803.0174、投稿済、査読中)。 本科研費補助による一連の研究により、色々な種類の電子対凝縮基底状態をもつ模型が構成されたが、これら模型およびその中に見出される電子対生成のメカニズムは、超伝導現象の解析に通常用いられる分子場等の近似理論と相補的な役割を果たしつつ、異方的超伝導の理解につながると期待される。
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Research Products
(1 results)