2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18740246
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
戸塚 弘毅 静岡大学, 創造科学技術大学院, 研究員 (30422744)
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Keywords | 微小球 / パルス伝搬 / 速い光 / 遅い光 / 群速度 / Whispering Gallery Mode |
Research Abstract |
誘電体微小球は非常に高いQ値を有し、体積が小さいため新たな光デバイスの候補として注目されている。本研究課題では、超高Q値を有するマイクロメーター寸法の誘電体微小球における光パルスの伝搬現象の基礎物理を明らかにした。 直径を1μm程度まで細めたテーパーファイバーにマイクロメーター寸法を有する誘電体微小球を近づけるとファイバーを伝搬する光が微小球にカップリングする。誘電体微小球はWhispering Gallery Mode(WGM)と呼ばれる非常に鋭い共鳴モードを有しており、共鳴周波数で球にカップリングした光は、このWGMを循環し、その循環した光の一部がファイバーに戻されることになる。この共鳴時に、この系の出力は急激な強度変化・位相変化を示す。本研究においては、球の共鳴時における強度変化、共鳴におけるパルス伝搬時間、をテーパーファイバーと球の光カップリング強度を変えて測定し、その実験結果を方向性結合理論により明らかにした。その結果、この系は二つの簡単なパラメーター、ロスパラメーター(x)とカップリングパラメーター(y)で系の振る舞いが決まることが分かった。特に、ロスがカップリングに比べて小さいアンダーカップリング領域(x>y)においては異常分散を、また逆に、ロスがカップリングに比べて大きいオーバーカップリング(x<y)の領域においては正常分散を示し、それぞれの領域における光パルスの伝搬が速い光、遅い光を示すことを明らかにした。さらに、この二つのカップリングの境界であるx=yのクリティカルカップリングにおけるパルス伝搬も明らかにし、この条件においてはパルスが2つに割れることを明らかにした。
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Research Products
(3 results)