2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18740254
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
福田 祐仁 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 量子ビーム応用研究部門, 研究職 (30311327)
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Keywords | 量子ビーム / 原子・分子物理 / プラズマ / 強光子場 / クラスター |
Research Abstract |
今年度は、クラスター媒質による自己収束の確認を行うため、これまでよりもコントラスト比の高いレーザー光とArクラスターおよびCO_2クラスターとの相互作用実験を行った。実験条件は、パルス巾=65fs、レーザーエネルギー=300-600mJ、コントラスト比=10^<-6>-10^<-10>、レーザー強度=2-4×10^<18>W/cm^2であった。クラスター生成に用いたノズルは、従来から用いている開口部径φ2mmの3ステージコニカルノズルである。実験では、レーザーとクラスターとの相互作用により発生するX線を、湾曲結晶を備えた分光器を用いてレーザービーム軸方向に空間分解して計測した。また、これと同時にマッハツェンダー干渉計により、レーザー-クラスター相互作用領域の屈折率分布を計測した。さらに、同時にレーザー-クラスター相互作用により発生した加速電子のシグナルをICT、LANEXスクリーンを用いて計測した。 その結果、X線スペクトルと干渉像とに明確なチャネリング生成を確認できた。チャネル長は、レーザー集光点に対するクラスターノズルの位置に強く依存し、0.6-1.6mmであった。この長さが、X線スペクトルと干渉像とで正確に一致していることから、自己収束によって生成していると考えている。現在、これらチャネリングの実験結果と電子加速との関係について解析を進めている。 より長距離のチャネリング生成を目的として、スリットノズルの設計と製作を行った。このノズルは、開口部の10×1mm、全長76.5mmであり、流体コードによる計算により、直径数百ミクロンのクラスターを生成することが出来るような特殊な内部構造をしている。第二年度は、このスリットノズルを用いた実験を行う。
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