2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18740256
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
内田 就也 Tohoku University, 大学院・理学研究科, 助教 (10344649)
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Keywords | 細胞骨格 / 整体高分子 / 分子シュミレーション / 鞭毛モーター / 非線形動力学 / 結合振動子 |
Research Abstract |
1.生体高分子溶液の粘弾性の数値解析とスケーリング理論 細胞骨格をはじめとする生体高分子ネットワークの力学的性質、特に静的弾性率の濃度依存性および高分子の剛直性への依存性を明らかにするため、からみあった高分子の溶液系の分子シミュレーションを行なった。からみあいのトポロジーを決定するいわゆる原始経路を数値的、統計的に解析することによって、剛直性の小さい人工高分子から、剛直性の大きい生体高分子まで広い範囲にわたる高分子系のゴム弾性率を決定し、既存の実験結果とのよい一致を見た。さらに、スケーリング理論により任意の剛直性を持つ(等方的な)高分子ネットワークの弾性率の一般的な表式を導出することに成功した。 (R. Everaers (ENSリヨン校、フランス),G.S. Grest(サンディア国立研究所、米国)との共同研究) 2.水中微生物の持つ回転モーターの集団ダイナミクスのモデル化と数値解析 バクテリアやゾウリムシの泳動器官である鞭毛や繊毛など細胞膜に埋め込まれた回転モーターの、流体を介した相互作用を解析した。回転モーターのモデルとして、平坦な細胞膜から一定の高さで一定のトルクを受けて回転する剛体を考え、回転モーターの集団の非線形動力学を数値的に解析した。その結果、回転モーターが周囲の流体に及ぼすアクティブカの角度によって、大域的同期(方向秩序化)、らせん波、パルスドメインなど多様な同期パターンが生じることを見い出した。これは、長距離相互作用を持つ結合振動子系の新たな具体例を提供するものである。 (R.Golestanian(シェフィールド大学、英国)との共同研究)
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Research Products
(2 results)