2006 Fiscal Year Annual Research Report
複雑溶媒中のコロイド系のための直接数値シミュレーション
Project/Area Number |
18740262
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
名嘉山 祥也 九州大学, 大学院工学研究院, 助手 (10422982)
|
Keywords | 電気泳動 / 直接数値シミュレーション |
Research Abstract |
本課題で目的としたコロイド分散系の直接シミュレーションの開発に対して, (1)溶媒流動による潤滑相互作用の検証,(2)電解質中の荷電コロイドの直接シミュレーション法の確立,(3)電解質中のコロイドの電気泳動現象の検証・予測,(4)荷電コロイドの沈降過程における沈降速度への電解質イオンの役割の研究,を行った. (1)溶媒流動による潤滑相互作用は,無限希釈孤立2粒子の場合についてのみ漸近解が知られているが,実現象およびそのモデルシミュレーションにおいて,系のサイズ効果や多体効果が不明であった.開発した直接シミュレーションプログラムを用いて、有限サイズの系における潤滑相互作用を計算し,既存の漸近解・モデルと比較したところ,それらと一致および不一致する領域がみられた.これにより既存の漸近解・モデルの適用範囲が明らかとなった. (2)電解質中の荷電コロイドの直接シミュレーション法を確立した. これは溶媒流動の直接シミュレーションと溶質イオン分布の運動を連成することで達成された. (3)荷電コロイドのシミュレーションプログラムの用いて,電気泳動現象を解いた. よく知られているケースとして無限希釈系の1粒子電気泳動をシミュレーションで解き,シミュレーションプログラムの検証を行った.さらに,実験的・理論的理解の少ない濃厚分散系の電気泳動のシミュレーションを行い,電気泳動易動度とコロイド体積分率およびデバイ長さとの関係について予測を与えた. (4)荷電コロイドの沈降過程における沈降速度とデバイ長さとの関係を調べた. 有限な系における荷電コロイドの沈降速度については明らかにされていない.開発したシミュレーションプログラムを用いて沈降速度を計算し,デバイ長さによる違いを明らかにした.
|
Research Products
(3 results)