2008 Fiscal Year Annual Research Report
ABICに基づく地震地殻変動データの非線形インバージョン解析
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18740269
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
深畑 幸俊 Kyoto University, 防災研究所, 准教授 (10313206)
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Keywords | インバージョン / 地殻変動 / 地震滑り分布 / InSAR / ABIC / 共分散 / 非線形 / 岩手宮城内陸地震 |
Research Abstract |
昨年度までの解析から、ABICを用いたインバージョンでは共分散の効果を考慮することが非常に重要であることが分かったので、その知見を波形インバージョンにより震源過程を求める問題に応用した。最も単純な時間方向の共分散のみを考慮した場合については昨年度中にGeophysical Journal International誌に投稿していたが、本年度はその論文の修正を行った後受理された。空間方向の共分散を考慮した場合についても現在開発中であり、これまで問題となっていた非負の条件が不要となるなど興味深い成果が得られているが、この研究については未だ道半ばである。 本来の目的である非線形インバージョンについて、明瞭な地表トレースが確認されない一般の平面断層の場合にまず定式化の拡張を行った。対象とする地震としては、2007年3月の能登半島地震の地殻変動データを解析する予定であったが、2008年6月に岩手宮城内陸地震が発生したため、そのInSARデータを解析することに変更した。イシバージョン解析の結果、ごく浅部(およそ深さ4km以浅)に8mに達する大きな滑りが生じた地震であることが明らかになると共に、断層面の位置や角度と共に滑り分布を同時に求める本手法の優秀性と簡明さが示された。本研究の結果は、ASC(Asian Seismological Commission)およびAGU(American Geophysical Union)等の国際学会で発表すると共に、論文としてまとめGeophysical Joural International誌に投稿すべく準備中である。
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