2006 Fiscal Year Annual Research Report
断層滑りの特徴とそのパラメータ依存性:アナログ実験からのアプローチ
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18740272
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
隅田 育郎 金沢大学, 自然科学研究科, 助教授 (90334747)
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Keywords | 粉体 / スティックスリップ / 断層 / 粒径 / せん断速度 / 室内実験 |
Research Abstract |
本年度は、まず回転型粘性率計とデジタルマルチメータをつないで、電圧データを10Hzでサンプリングする計測系を構築した。また粒径をふるいがけした上で、粒径とせん断速度をパラメータとして系統的な実験を夏季と冬季に分けて行った。その結果、夏季のデータは湿度が高いために系統的に振る舞いが異なることが分かったため、冬季に集中的に実験を行ったデータを解析に用いることにした。また、ガラスビーズがせん断されている領域を判定するために、実験中のせん断の様子を定期的にカメラ撮影し、連続する2枚の画像の差をとりそれらを重ね合わせることにより、せん断されているガラスビーズの領域を判定することに成功した。 実験を行う一方で、MATLABを用いた解析プログラムを作成し、予備的な解析を行った。その際、一定常状態に達しているかどうかを判定する基準も設け、また滑りイベントを自動判定することができるようにした。解析を行った結果、せん断すべりを起こすプレスリップの程度と滑りの平均的な間隔を用いて粒径とせん断速度を制約することが可能であることが分かった。また、異なる2種類の粒からなる系についてもせん断実験を行い、大きな粒が上昇し、分離することが分かった。これは粉体に特有の偏析現象の一例であると理解される。 上記の結果は、地球惑星科学連合大会(5月)で発表し、また学外では名古屋大学理学部地球惑星科学科のセミナー(10月)でも発表した。
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