2008 Fiscal Year Annual Research Report
20世紀および地球温暖化時のモンスーン熱水循環変動の解明
Project/Area Number |
18740290
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
植田 宏昭 University of Tsukuba, 大学院・生命環境科学研究科, 講師 (70344869)
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Keywords | 地球温暖化 / IPCC / マルチモデル / モンスーン / エルニーニョ / インド洋 / ENSO / 季節サイクル |
Research Abstract |
大気海洋結合大循環モデルを用いて、モンスーンの段階的な季節進行における海洋と陸面の寄与について、正と負のフィードバックの定量化を行った。夏のアジアモンスーンは、5月中旬のFirst Transition、6月中旬のインドモンスーンオンセットおよびITCZの成熟、7月中旬のConvection jumpの3回の急激な季節変化によって特徴付けられる。これらの変化における、SST効果、放射/陸面効果を算出したところ、5月中旬のオンセット(南シナ、インドシナ半島など)は、広域の温度コントラストの反転が主要素であることを反映し、SSTの効果は相対的に小さいことが実験的に明らかになった。一方、6月中旬のSSTは対流活動の活発化に対し負のフィードバック効果として働いている。西太平洋上の対流ジャンプにおけるSSTの寄与は低く、対流活動を抑制するプロセスがあることを示唆している。 大気-海洋混合層結合モデルによる瞬間的CO_2倍増実験より、全球降水量変動におけるCO_2倍増の直接効果を地表面・大気熱収支の観点から評価した。瞬間的に倍増したCO_2は蒸発と降水の両方を減少させる。温室効果ガスであるCO_2の増加により、大気よりも熱容量の大きい地表面が加熱される一方、水蒸気とCO_2のオーバーラップ効果は正味地表面放射の変化を抑制するため、それを補うように蒸発による潜熱フラックスが減少する。この結果、CO_2倍増の直接効果として、降水量の減少が引き起こされる.
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Research Products
(7 results)