2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18740305
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Research Institution | Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology |
Principal Investigator |
鈴木 立郎 Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology, 地球環境フロンティア研究センター, 研究員 (10415995)
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Keywords | 海洋大循環モデル / 海面水位上昇 / 熱膨張 / 地球温暖化 / 非ブシネスク近似 / 淡水流入 / 気候モデル / 海面水位上昇分布 |
Research Abstract |
地球温暖化に伴う海面水位の変化は人間社会や環境に大きな影響を与えると予想されている。近年の気候モデルによる温暖化予測実験による海面水位の上昇は、場所によっては全球平均値の2倍を超える値を示しており、海面水位分布の変化およびその要因を理解することは重要である。本研究では温暖化時のIPCCの第4次報告書の温暖化予測の評価に用いられた高解像度気候モデルの温暖化時の海面水位分布の変化を要因切り分け実験等を行うことによって詳細に調査した。具体的には気候モデル中で海洋コンポーネントに与える境界条件を海面水位の変化を引き起こす要因(風応力、淡水フラックス等)ごとに切り分けてモデルを駆動して温暖化時の海面水位上昇のメカニズムを調べた。温暖化予測の評価に用いられた気候モデルではいくつかの共通の海面水位分布の変化がみられることなどが指摘されている。これらのモデルでは、温暖化時に北極海で大きな上昇がみられ、南極海では海面水位上昇は全球平均値を下回っている。また、多くのモデルで、南大西洋から、インド洋、南太平洋にのびる帯状の海面水位上昇分布が指摘されている。本研究では温暖化時の北大西洋海流、黒潮族流域、南極周極流域の海面水位分布の変化は温暖化時の風応力だけでモデルを駆動した結果と非常によく一致した。この結果これらの地域の海面水位分布の変化には風の影響が非常に大きいことを示している。また、淡水フラックスの置き換え実験の結果では、北極海の海面水位の上昇は温暖化時の淡水フラックスの変化が大きな役割を果たしていることが示された。
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Research Products
(2 results)