2006 Fiscal Year Annual Research Report
EISCATレーダーを用いた極冠域における極風の観測的研究
Project/Area Number |
18740310
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Research Institution | National Institute of Polar Research |
Principal Investigator |
小川 泰信 国立極地研究所, 研究教育系, 講師 (00362210)
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Keywords | 極風 / 電離圏 / 極冠域 / イオン流出 / ロングイアビン |
Research Abstract |
本研究課題の目的は、極域電離圏及び磁気圏で観測される極風(ポーラーウィンド)の生成機構の解明である。極風が生じ始めると考えられる極冠域の上部電離圏(500-1,500km)におけるイオン組成の高度分布と各イオン種の速度分布をEISCATスヴァールバルレーダー(ESR)を用いて詳細に調べるため、レーダーパルスコード及び観測プログラムの開発を2006年9月にEISCAT本部(キルナ)にて行った。その新たに作成したパルスコード(tau7)を用いて、2006年12月20日にESRを用いたテスト観測を実施した。そのテスト観測で得られた結果を基に、レーダーパルススキームや観測プログラムの更なる修正を進めてきた。 これらの新しい観測手法の開発に加え、これまで蓄えられてきた過去のデータを用いた解析手法の新たな開発も実施してきた。具体的には、極域上部電離圏を飛翔するDMSP人工衛星及びれいめい人工衛星のデータ解析を行い、EISCATレーダーによる同高度領域のイオン上昇流及びプラズマ加熱の観測結果との相違点を明らかにした[Ogawa et al.,投稿準備中]。さらに、EISCATレーダーデータを用いた上部電離圏の新しい解析手法を開発することにより、(1)1000kmを超える高度領域では沿磁力線イオン速度が音速の約半分まで到達すること、(2)電子加熱のピークは高度500km付近に位置し、それ以上の高度では上向きの両極性拡散電場が顕著に増加すること、を明らかにした[Ogawa et al.,2006]。
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Research Products
(3 results)