2006 Fiscal Year Annual Research Report
トモグラフィによる3次元電子密度分布データを用いたシンチレーション発生機構の解明
Project/Area Number |
18740311
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
齊藤 昭則 京都大学, 大学院理学研究科, 助手 (10311739)
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Keywords | 電離圏 / GPS / 全電子数 / トモグラフィ / 電子密度擾乱 / シンチレーション / プラズマ圏 / GEONET |
Research Abstract |
まず、トモグラフィ解析装置によって日本上空の3次元電子密度分布を算出を進めた。国土地理院GPSから約3時間遅れで提供される全国約1,200点のGPS受信機のデータを用いて、計算機トモグラフィを行い日本上空の3次元電子密度分布を算出した。算出には高い分解能を得るために大容量のメモリと高速度の演算処理を必要とする。トモグラフィのアルゴリズムとしては申請者と藤田信幸、寺石周平、上野玄太によって開発された手法を用いた。 算出の流れは、最初に、取得した2周波GPSデータからGPS電波経路上の全電子数を算出する。この際、地上GPS受信機と衛星GPS送信機の装置バイアスを推定する。次に、得られた経路上の全電子数を用いて計算機トモグラフィを行い、3次元電子密度分布を求める。トモグラフィは30秒毎に可能であるが、計算に時間がかかるため、定常的には3時間毎の3次元電子密度分布を求めて行う。これらの結果について、第120回地球電磁気・地球惑星圏学会(GPS電離圏電子密度トモグラフィによる日本上空電離圏擾乱の鉛直構造伝搬の研究,藤田信幸,寺石周平,齊藤昭則,上野玄太)、2006年中間圏・熱圏・電離圏研究集会(GPSトモグラフィを用いた電離圏擾乱鉛直構造の時間変化に関する研究,藤田信幸,寺石周平,齊藤昭則,上野玄太)、第21回大気圏シンポジウム(GPSトモグラフィを用いた地磁気擾乱時電離圏構造の時間変化に関する研究,藤田信幸,齊藤昭則,上野玄太)などで発表を行った。データの可視化としてGoogleEarth上へのプロットなども進めた。シンチレーション観測はコーネル大学キントナー教授らが開発したGPSシンチレーション・ボードを用いて行い、京都大学屋上に設置して、試験観測を行った。また、米国及び中国においてこれらの研究の打ち合わせを行った。
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