2007 Fiscal Year Annual Research Report
原生代末期の全地球凍結から先カンプリア/カンプリア境界における環境変動と固体地球
Project/Area Number |
18740318
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
小宮 剛 Tokyo Institute of Technology, 大学院・理工学研究科, 准教授 (30361786)
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Keywords | 地質学 / 地球化学 / 層位・古生物学 / 環境変動 / 岩石鉱物鉱床学 |
Research Abstract |
今年度は、南中国地域で、原生代後期からカンブリア紀までの地層の地質調査と陸上掘削を含めた岩石試料採取を行った。また、ノルウェー領スバールバル諸島においても、地質調査を行い、岩石試料の収集をした。また、これまでに採取した原生代後期の全球凍結後の試料の化学分析(^<18>O/^<16>/O比、^<13>C/^<12>/C^<87>Sr/^<86>Sr比、^<88>Sr/^<86>Sr比、^<44>Ca/^<42>Ca比、FeとMn含有量)を行った。その結果、以下のような表層環境変動を解読することができた。また、その表層環境変動と生命進化を対比することによって、表層環境変動に伴う海洋中の栄養分濃度や酸素濃度が生命進化に重要な役割を果たしたことを定量化することができた。 ^<88>Sr/^<86>Sr比や^<44>Ca/^<42>Ca比から、全球凍結後に極度の温暖化が起きたことが分かった。また、5億8千万年前頃に寒冷化し、地球表層が大規模な氷河に覆われた(Gaskiers氷河期)のに伴い、海退か起きたことが^<18>O/^<16>/O比や^<87>Sr/^<86>S比から分かった。^<13>C/^<12>/C比はその寒禎ヒによって生命活動が減退したことを示す。海退の際に大陸地殻浸食量が増加したことにより海水中の栄養分濃度が増加したことと、再び地球が温暖になったことにより生命活動は復活し、最古の動物の出現をもたらした。しかし、そのまま極度の温暖化にまで進行してしまったため、大陸浸食量が増加し過ぎ、海洋酸素濃度を低下させる結果となった。それにより、再び生命活動が急激に減衰した。その後、再び生命活動が回復し、カンブリア紀の生命進化に続いたことが分かった。
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Research Products
(15 results)
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[Book] Material circulation through time -Chemical differentiation within the mantle and secular variation of temperature and composition of the mantle-. In: Yuen, D.A., Maruyama。S・, Karato, S・, Windley, B, F・, (Eds.), Superplumes: Beyond Plate Tectonics2007
Author(s)
Komiya T.
Total Pages
187-234
Publisher
Springer, New York