2007 Fiscal Year Annual Research Report
湖沼堆積物の珪藻殻酸素同位体比に基づく気候復元法の確立
Project/Area Number |
18740320
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
森本 真紀 Nagoya University, 環境学研究科, 研究員 (30377999)
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Keywords | 気候復元 / 酸素同位体比 / 湖沼堆積物 / 珪藻 |
Research Abstract |
気候変化に対する生態系応答(種の増減、個体数の増減)とその応答時間を把握するには、過去の実際に起こった気候変化とそれに対する生態系変化の情報が必要である。過去における生態系変化は植物や動物遺骸の解析により多くの情報が蓄積されてきたが、その当時の気候の詳細についての情報は十分であるとは言い難い。よって本研究では、生態系情報を使わず陸域気候変動を推定する有効な方法として、湖沼堆積物の珪藻殻の酸素同位体比に基づく気候復元法を確立することを目的としている。 平年19年度においては、珪酸塩鉱物や珪藻殻の酸素同位体比分析について、これまでに作成した分析システムを改良することによって、古環境復元研究における実用に用いることが可能な程度までの分析精度向上に取り組んだ。具体的には、試料をフッ素系の試薬と共に加熱反応させるニッケル製容器や、発生した分析用の酸素ガスを精製する金属製真空ラインについて、試料の反応率と発生ガスの回収率を高めるため、さらには分析中における試料のコンタミネーションをより減少させるために、分析システムの部品の材質の変更や再作成などによる改良をおこなった。また珪藻殻試料の前処理法について、殻を構成する二酸化ケイ素に結合する水和物の除去法の確立を目指して、1000℃以上の加熱が可能な電気炉を用いた方法の作成に取り組んだ。これらの成果とこれまでの分析精度について、日本質量分析学会同位体比部会において発表をおこなった。
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